2017年11月19日

WBC2017 結果報告:鈴木 樹バリスタ(準優勝 世界第2位)

去る11月9日〜12日に韓国で開催された「ワールド バリスタ チャンピオンシップ(WBC)2017」において、日本代表として出場し、見事準優勝を果たした鈴木バリスタ(東京セミナールーム所属)より、ご声援いただいた皆さまへのお礼のメッセージが届きましたので、ご紹介させていただきます。

 


 

WBC2017では、皆さまのあたたかいご声援・ご支援誠にありがとうございました!

今回、お隣の韓国の開催となり現地においてもたくさんの皆さまにお越しいただき、 ご声援いただき大変心強く競技に臨むことができました。
1年2ヶ月という長い準備期間の間も温かく見守り励ましていただき誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

今年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2017では、58ヵ国のナショナルチャンピオンが一堂に会し、 ワールドチャンピオンの座を競いました。 温度の変更、レイアウトの変更など今年の大会よりダイナミックなルールアンドレギュレーションの変更があり、 大会としても新たな挑戦の年でもありました。

 

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5年ぶり3回目のWBCへの出場となりましたが、以前出場していたときよりも 選手一人一人のレベルは格段に上がっており、誰がセミファイナル進出してもおかしくない、 誰がファイナルにいってもおかしくない競技をそれぞれの選手が行なっていました。
そのため、毎回ラウンドを進むたびに綱渡りで進んでいるような大きな危機感を持って3ラウンドの競技に臨みました。

 

日本の大会から約1年2ヶ月という長い期間を準備に備えることができ、その利点を最大限に活かせるよう、 オリジナルカップの作成から、様々な抽出検証、データ採取、オーダーメイドのプロセスのコーヒー、 現地の水を想定した焙煎プロファイル作りなど、やれることは全てやりきり大会に臨むことができました。

今回の大会では、ボリビアのペドロ・ロドリゲスさんのアラシータス農園のゲイシャ種を使用しました。 ボリビアコーヒーは年々減産の一途を辿り存亡の危機に瀕しています。 コカへの転作や十分なコーヒー栽培の教育が行き届いていなかったりと原因は様々ですが、 そんな中でペドロさんは、もともとコーヒーの輸出業者でしたがボリビアコーヒーの存続のために、 生産処理場を所有し、農園運営をはじめ、そして現在は近隣の農園主に正しいコーヒー栽培の知識を教えるための教育プログラムを行い、 ボリビアのスペシャルティコーヒーの未来のために尽力をしています。

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私がこのコーヒーに惹かれた最初の理由は、長年に渡りエスプレッソを抽出する中で理想の味わいを見つけたと感じたからです。 純粋に甘さと質感の素晴らしさ、バランス、フレーバー、味わいに惹かれました。
しかし、このコーヒーがなぜ素晴らしいのかの味わいの理由を知るたびに、ペドロさんの やっていることの取り組み、未来への視点を知るたびにこのコーヒーをWBCの舞台で紹介をしたいという使命感が強くなりました。 味わいの素晴らしさだけでなく、ペドロさんの取り組みも合わせて、このコーヒーが 私にとってのスペシャルティコーヒーの理想です。

日々エスプレッソの抽出に向き合う中で、エスプレッソの抽出は難しく、何かポジティブな要素を引き出すためには何かを失う トレードオフはしょうがないことで、その中で最大限バランスを取ることがエスプレッソの味わいを調整するということだと考えていました。

しかし、このコーヒーは多くの素晴らしい味わいの要素があり、その味わいには全て理由があり、ペドロさんの取り組みの成果であり、 トレードオフだからしょうがないと切り捨てるわけには行かないと思い、固定概念に囚われずさらなる抽出の探求を行いました。

 

そこで辿り着いたのが、【ダブルグラインド】という抽出方法です。 液体窒素で焙煎した豆を凍結し、大変粗いサイズに挽きます。 さらに液体窒素で粗く挽いた粉を凍結させ、最後にエスプレッソ用に挽きます。 こうすることで、表面積が向上し、抽出効率が上がり、フローラルフレーバーを 保ちながらも、甘さと質感を向上させることができました。 この抽出方法を取ることで、私がポジティブに感じたこのコーヒーの全てを一つのカップに表現をすることができました。

残念ながら優勝には一歩届きませんでしたが、決勝では本当に楽しくコーヒーを淹れることができました。 競技を終えた直後には、約9年間この競技会に出場してきましたが、ようやく自分自身が納得のできる競技ができ、 これ以上やれることはない、全てを出し切れたと純粋に思えました。
コーヒーを淹れること、提供することの喜びをあの舞台で感じられたのは私にとって大きな財産です。 この結果に大変満足しており、今はとても幸せな気持ちでいっぱいです。

 

38357306201_b722271773_kそして、大会の舞台に立つのは、たった一人ですがここまで来るためには、非常にたくさんの方の支え・ご支援があってこそベストなパフォーマンスを行うことができました。 特に今回は、チーム丸山の社内の方だけでなく、会社を超え社外の方にも多大なご支援をいただきました。

今回大変多くの方が尽力してくださり、この素晴らしい結果を得ることができました。 ご支援、ご声援いただいた皆さま、最高のチームでこの競技会に臨めたことにこの場を借りて御礼申し上げます。 ありがとうございました。

鈴木 樹